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現状と課題

<これまでの環境の変遷>

 1970年代は、干潟周辺で埋立て・道路整備等の大きな開発事業が生じたものの、道路近傍の地形変化を除けば、干潟環境に大きな変化はみられません。

 1970年代から1980年代は、埋め立て時に投入された泥が流出し始めたと考えられますが、生活排水の流入もあり、有機物が豊富でゴカイ類の優占する泥質干潟が成立していました。

 1990年代に入ると浄化センターが整備され、泥の流出の進行とともに有機物の減少や一部で砂質化がみられるなど、生物生息環境が変化しました。

 2000年代は、流れが緩やかになったことで1990年代に比べ地形変化の程度は小さくなったと考えられますが、生物相では貝類増加やアオサ繁茂などがみられ、閉鎖性の高い砂泥質の環境特性へと変化してきています。また、夏季には枯死したアオサの腐敗臭が、周辺の生活環境を著しく悪化させています。

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国指定谷津鳥獣保護区における環境の変遷

 シギ・チドリ類の飛来数は全国的に減少しており、谷津干潟においても1970年代から減少傾向にあり、1990年頃に比べて1/4程度となっています。

 谷津干潟におけるシギ・チドリ類の減少と1990年代以降にみられた環境変化との関係は不明ですが、干潟環境が変わったことは明らかであり、特にゴカイ食のシギ・チドリ類にとって望ましくない方向の変化と考えられます。

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国指定谷津鳥獣保護区におけるシギ・チドリ類個体数の変化
出典:関東地方環境事務所調査結果をもとに作成
2005年度までは原則月2日調査、2006年度からは原則月4日調査

<今後、想定される変化>

 近年では、1990年代にみられた地形変化の進行の程度は小さくなっており、生物生息の基盤となる条件が今後、急激に変化するとは考えにくい状況にあります。(ただし2011年3月に発生した東日本大震災により地盤が全体的に5cmから15cm程度沈下しました。)

 一方では、2000年代は貝類増加やアオサ繁茂等がみられており、このまま続くと干潟の底生生物相に占める貝類の割合が増加する可能性があり、結果としてゴカイ食のシギ・チドリ類が更に減少する可能性が懸念されます。

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